将軍家へ雪氷を献上

江戸時代の川柳に「六つの花 五つの花の御献上」というものがあります。

「六つの花」とは、雪の結晶の形から「雪氷」を指し、「五つの花」は加賀藩主前田家の家紋を指します。

旧暦6月1日、加賀藩・前田家は、冬の間に氷室で貯蔵した雪氷を江戸の将軍家へ献上していました。
当時、江戸まで120里(約480km)の距離を飛脚たちが昼夜4日間かけて運んだそうです。

この飛脚を「加賀飛脚」と呼びました。

数百年の時を超え、加賀飛脚が走る

(一社)石川県トラック協会では、この加賀飛脚を現代に再現。

毎年、金沢市の湯涌温泉で行われる夏の風物詩「氷室開き」において、
氷室小屋から切りだされた雪氷を飛脚の姿に扮した当協会青年部会員が雪氷を詰めた重さ60㎏の長持を担ぎ、
「エッホ、エッホ」と掛け声を響かせながら17 ㎞先の金沢駅まで運んでおります。

その後、運ばれた雪氷は、かつて加賀藩の下屋敷があった東京都板橋区に献上し、
区役所イベントスペースで区民らに一般公開されています。

「運ぶ」ことへの誇りを胸に
いつの時代もわたしたちが運びます。