43歳 女性 (静岡県駿東郡)
小さい頃、父の仕事の関係で、私は何度も引っ越しを経験した。日本全国、西へ東へ。私が中学2年生のときも、当時住んでいた静岡県から愛媛県へ引っ越すことになった。多くの友人と離ればなれになってしまう。そんな私の唯一の心の支えは、飼っていた2匹のわんこだった。
引っ越しの準備もいよいよ終わろうとしていたとき、「犬たちを親戚に引き取ってもらおう」と突然両親が私に切り出した。正直、何を言っているかわからなかった。運送時のリスクを考えてのことらしいが、私にはとても納得はできなかった。
なんとしても、わんこたちを一緒に連れて行きたい。私はすがる思いで、一家の荷物を運んでくれる担当ドライバーの方へと相談を持ちかけた。すると彼から、思ってもいなかった言葉が返ってきた。「大丈夫ですよ。長旅になるのでちょっと負担にはなるかもしれませんが、この子たちは必ず安全にお届けします」。ドライバーの方のこの一言のおかげで、私は大切な家族とバラバラにならずに済んだのである。
それだけではない。トラックが引っ越し先に到着したとき、真っ先にわんこたちのゲージを降ろしてくれたこと。さらに、何時にどこのサービスエリアで2匹がどんな様子だったのかを、ノートに詳しく書き留めていてくれたこと。ひとつひとつがきめ細やかで、あったかい。今思うと、あれは中学生だった私が、初めて目の当たりにしたプロの仕事だったかもしれない。
現在、日本の物流はとてつもない進化を遂げている。ともすれば速さや安さに目がいきがちだが、私は、あのとき目にした安心や信頼をやさしく運ぶ本当のプロが活躍できる物流社会を、これからも応援していきたいと思う。
※本作品は「トラックにまつわるあなたの心温まるエピソード募集」企画において、投稿されたエピソードを元に作成しています。
トラックにまつわるあなたの心温まるエピソード
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43歳 女性 (静岡県駿東郡)
小さい頃、父の仕事の関係で、私は何度も引っ越しを経験した。日本全国、西へ東へ。私が中学2年生のときも、当時住んでいた静岡県から愛媛県へ引っ越すことになった。多くの友人と離ればなれになってしまう。そんな私の唯一の心の支えは、飼っていた2匹のわんこだった。
引っ越しの準備もいよいよ終わろうとしていたとき、「犬たちを親戚に引き取ってもらおう」と突然両親が私に切り出した。正直、何を言っているかわからなかった。運送時のリスクを考えてのことらしいが、私にはとても納得はできなかった。
なんとしても、わんこたちを一緒に連れて行きたい。私はすがる思いで、一家の荷物を運んでくれる担当ドライバーの方へと相談を持ちかけた。すると彼から、思ってもいなかった言葉が返ってきた。「大丈夫ですよ。長旅になるのでちょっと負担にはなるかもしれませんが、この子たちは必ず安全にお届けします」。ドライバーの方のこの一言のおかげで、私は大切な家族とバラバラにならずに済んだのである。
それだけではない。トラックが引っ越し先に到着したとき、真っ先にわんこたちのゲージを降ろしてくれたこと。さらに、何時にどこのサービスエリアで2匹がどんな様子だったのかを、ノートに詳しく書き留めていてくれたこと。ひとつひとつがきめ細やかで、あったかい。今思うと、あれは中学生だった私が、初めて目の当たりにしたプロの仕事だったかもしれない。
現在、日本の物流はとてつもない進化を遂げている。ともすれば速さや安さに目がいきがちだが、私は、あのとき目にした安心や信頼をやさしく運ぶ本当のプロが活躍できる物流社会を、これからも応援していきたいと思う。
※本作品は「トラックにまつわるあなたの心温まるエピソード募集」企画において、投稿されたエピソードを元に作成しています。
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